†スノーテイル†

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「うわあっ」  体ががくんっと沈むのが分かるのと同時に、私は思わず声を上げた。  一気に意識が覚醒して、自分の中で危機回避プログラムを実行に移す。  何とかすんでの所で椅子から滑り落ちずに済んだ。  しかし。  私を助けるのに一役買ってくれたイーゼルとキャンバスは倒れ、残っていた眠気を吹き飛ばすような騒音を作ってくれた。  半眼になって冷ややかに見下ろしてから、十数秒は置いてから。  はあ……。  出てきたのは、無駄に重苦しい溜息だけだった。
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