†第2夜† 光りを目指して

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   「ありがとうございました。」  綉舳は、父の骨箱を抱いて担当者と住職さんに挨拶した。  乃依は、隅の椅子で母の骨箱を抱いてほうけていた。  泣き疲れたのか…両親の“死”を受け入れるのにまだまだ抵抗があるのか……人形のようだった。 「乃依…さぁ、帰ろう。みんなで。」  言われて顔を上げるとにっこり笑った姉が居た。 「あっ…お父さん……。」 「乃依、4人で帰ろう。」  言われて乃依は、泣き崩れる。 「乃依…まだ、お姉ちゃんが居るわよ。」  綉舳は、抱きしめる。   
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