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「うん…。」
乃依は、ようやく頷いて立ち上がった。
「さぁ、帰ろう。」
二人でタクシーに乗る。
タクシー運転手は、骨箱を持つ姉妹を見て色々悟った。
「お腹すいたね、何食べようか? お父さんとお母さんもゆっくりうちでご飯食べたいよね。」
明るく話す姉の声が哀しかった。
タクシーの運転手も泪ぐんでいるようだった。
「お父さん……お母さん…」
乃依は、骨箱を抱きしめて声も上げずに泪を流した。
「よしよし、イイ子ね。」
『よしよし、イイ子ね。乃依。』
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