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俺は、
悲鳴のした部屋へ急いだ。
部屋の前では、
悲鳴を聞きつけて沢山の人達が集まっている。
『何があったんですか?』
俺は肩で息をしながら、近くにいた先生に尋ねる。
「なっ、棗君あれ?」
先生の顔は青冷めていた。
俺は先生が指差した方へと視線を向ける。
『なっ?』
少女が宙に浮いている。
いや。
正確に言えば、
宙に浮かされている。
だが、
周りから見たら少女一人が宙に浮いているように見えているに違いない。
俺には見える。
少女を取り囲むようにして立っている奴等の姿が。
「どういう事なの?」
先生は今にも倒れそうになっている。
俺は、
先生をその場に座らせると部屋の中へと足を踏み入れた。
恐怖はある。
しかし、
今目の前にいる少女はまぎれもなく今日俺に花をくれた少女だったのだ。
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