正体不明

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死神の数は、 五体。 どれも同じような姿形をしている…。 『彼女を離せっ。』 俺は、 勇気を出して叫んだ。 彼女をこのまま死なせる訳にはいかない。 死神の一体がこちらに、向きを変える。 死神と目を合わせたら、自分の魂を取られる。 昔、親戚の叔父さんに教えてもらった事だ…。 俺は、下を向いてしまう…。 自分が死ぬのも嫌だ。 俺は、 手を強く握りしめた。 どうしたら良い…。 恐怖で動けない。 一体の死神が、 俺に近づいてくる。 【貴様の魂いただく…。】 ゾクっ。 背中に寒気が走る。 低い低い、地が唸るような声が俺の耳に入ってくる。 死神は、 もうすぐそこまで来ている…。 下を向いている俺の目に、 黒い物体がだんだんと見えて来る…。 恐怖で動けない。 額から汗が流れる。 死神が、俺の前で立ち止まると大きな鎌を頭の上に持ち上げた。 やられるっ。 逃げたくても、 足が動かない…。 シュッ。 鎌が振り下ろされる。
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