POP

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それは夕方。ピーク時に比べてお客さんが少し減り若干落ち着いてきた時の話。 私はいつものように店内巡回をしていた。 <俺>「あっ。ここPOPが付いてないな。」 飲料の山積みスペースに売価表示がされていない物を発見した。しかも3ヶ所。 私は仕方ないなと思いつつPOPを書くことにした。 ガラガラ… 3段のカラーボックスの底にキャスターを付けて移動させる事が出来るようになった通称「POP台」を持ってきた。 この上でPOPを書く。 3段ボックスなので中にペンや紙を置いておくスペースもある。 <俺>「よし!一枚目完成。」 一枚目のPOPを書き終え商品の前に貼った。 その時、私の前方に一人の背の高い男の人がいた。 まぁ、そんなことは特に気にせず私は2枚目を書こうとした。 しかしPOP台の中には運悪く用紙が入っていなかった。 …そして。 そんなに声を張ったつもりは無かったのだが意外と大きかったらしい。 <俺>「あぁ、紙無いじゃん。 何で紙無いんだよ……。」 んっ? 先程前方にいた男の人が俺の方を見ている。 だって…… その人… ちょっと頭が薄かったから。
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