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★
「はぁ、最悪だ」
イスに腰を掛けて呟く。現在一年二組……教室。
一時間目が終わり休み時間なのだが、
「お主が遅刻するなんて珍しいではないか。沙羅はほとんど毎日の事だがの」
この奇妙な喋り方の女子は、伊達 零。
容姿は黒髪ショート気味の女の子で、中は男の子。
生れつきとか物心ついた時からじゃないんだけど、ただ自分を男かと思ってるだけ。疑ってる、ってのが正しいね。
「刃物を持った奴に襲われたのは今日で八回目だよ」
運が悪いのも限度っていうのがあるでしょ。これは明らかなやり過ぎ。
「昔はよく有っただろ?そんな事は」
今、話し掛けてきた男が明王寺 正弘(ミョウオウジ マサヒロ)
オープンスケベなのかムッツリスケベなのか分からない変態、特技は隠し撮りらしい。
「最近また知名度が上がってきてるからね。あはっ」
この軽い口調の女の子は杉 涼子。
不思議っ子で、茶髪ロングの巨乳さん。零は控えめ、沙羅は結構大きい。
そして、僕は沙羅だけに聞こえる様に呟いた。
(零や涼子も、また属性が強化されてるんだろうね)
(あぁ……ドキドキするな。特にリョーコの場合は、いつもは隠れた部分が浮き出てくる。そういうタイプだろう……恐いもの見たさの憶測だが)
三人に怪訝な目で見られるが笑ってごまかす。
いつもはこの六人でだべったりしている……って今日は“あの子”が来てないから五人か。
久藤さんではない。あの子、僕とは仲が良くないし。
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