無料で地獄巡り体験

8/16
前へ
/111ページ
次へ
「お主、かなり服が汚れているではないか」 「最後の奴に結構やられてね……」 久藤さんの事だが、ほとんど自滅だね。 「あいつ生きてんのかな?」 沙羅がそう呟いた。 流石に生きてるでしょ、と返したその後、教室の扉が物凄い勢いで開いてだれかが入ってきた。 「オラァッ!桜たんって奴はどいつだよっ!」 不良っぽいのが壁を蹴る。 つくづく、運が悪くなっているようだ。 「仕方ない、行ってくるよ」 「オレも行くぜ?」 嬉々として沙羅が着いてきた。ほんと彼女は喧嘩事が好きだなぁ。 「僕だよ、なにか文句でもあんの?」 「お前か……よくも大ちゃんをやってくれたな。ちっと屋上に面出せや」 また大ちゃんかよ。しかも後ろにぞろぞろ居るけど二十人くらい連れて来たよ。 大ちゃんの人望に嫉妬しちゃうね。 ★ 「大ちゃんの仲間?だっけ……掛かってこい」 「てめぇ等行くぞ!」 おぉ!!と言うむさ苦しい掛け声と共に前線の奴等が突撃してきた。 「桜、一分でカタをつけるぞ!」 「あぁ、それだけあれば十分!!」 拳を握りしめ、気合いを入れる。 さぁて、今回は手応えがあるかな。 「オラァ!!」 古典的な台詞と共に不良が三人、殴りかかってくる。 「残念、複数なら勝てると思ったら大間違い。寧ろ複数のが得意なんだから」 僕は不良の腕を掴み、グイッと捻って残りの二人に向かって投げ飛ばした。 「うぐっ……」 「さぁ、どんどん掛かってこい!」 怯ませたところにキックを入れて倒して後ろの奴等にぶつける。 どうだ、と言わんばかりに吠える……が背中の方から悪魔の声。 「なら掛かっていきますわ、この家畜野郎」 「え?」 勿論……もう復活した久藤さんだ。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

959人が本棚に入れています
本棚に追加