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「お主、かなり服が汚れているではないか」
「最後の奴に結構やられてね……」
久藤さんの事だが、ほとんど自滅だね。
「あいつ生きてんのかな?」
沙羅がそう呟いた。
流石に生きてるでしょ、と返したその後、教室の扉が物凄い勢いで開いてだれかが入ってきた。
「オラァッ!桜たんって奴はどいつだよっ!」
不良っぽいのが壁を蹴る。
つくづく、運が悪くなっているようだ。
「仕方ない、行ってくるよ」
「オレも行くぜ?」
嬉々として沙羅が着いてきた。ほんと彼女は喧嘩事が好きだなぁ。
「僕だよ、なにか文句でもあんの?」
「お前か……よくも大ちゃんをやってくれたな。ちっと屋上に面出せや」
また大ちゃんかよ。しかも後ろにぞろぞろ居るけど二十人くらい連れて来たよ。
大ちゃんの人望に嫉妬しちゃうね。
★
「大ちゃんの仲間?だっけ……掛かってこい」
「てめぇ等行くぞ!」
おぉ!!と言うむさ苦しい掛け声と共に前線の奴等が突撃してきた。
「桜、一分でカタをつけるぞ!」
「あぁ、それだけあれば十分!!」
拳を握りしめ、気合いを入れる。
さぁて、今回は手応えがあるかな。
「オラァ!!」
古典的な台詞と共に不良が三人、殴りかかってくる。
「残念、複数なら勝てると思ったら大間違い。寧ろ複数のが得意なんだから」
僕は不良の腕を掴み、グイッと捻って残りの二人に向かって投げ飛ばした。
「うぐっ……」
「さぁ、どんどん掛かってこい!」
怯ませたところにキックを入れて倒して後ろの奴等にぶつける。
どうだ、と言わんばかりに吠える……が背中の方から悪魔の声。
「なら掛かっていきますわ、この家畜野郎」
「え?」
勿論……もう復活した久藤さんだ。
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