暇な世界の傍観者からの手紙?

4/4
959人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
★ 「さぁ行こう♪」 用意を済ませたあと、ダラダラしていたら時間が経ったのでゴミ袋と鞄を持って靴を履く。 上機嫌でガチャ、と家の扉を開ける。 え、朝食と昼飯?僕はさっきオタクと言ったよね。 そっちの趣味に……ゲフンゲフン!!仕送りが少ないからなるべく節約するんだよ、うん。 「おっ、今日も早いね。桜ちゃん」 外に出るなりいきなり隣のおばちゃんが声をかけてくる。 何故か大体いつも居る。最早この人自体が手紙並に超絶な現象なのだが。 「おはようございます。徒歩だから50分もかかるんです」 適当に返事をかえす。 「自転車で行けば良いのに」 「生憎持ってないからなぁ」 笑いながら「じゃあ」と言ってその場を去った。 「おばちゃんは変わってなかったな……」 脳をフル回転させながらエレベーターのボタンを押し、待つ。 女の『子』、つまり女子がって事か。おばちゃんには悪いけどね。 それにしても属性が強化されるって、あんまりピンと来ないな。 ずっと考えていると、エレベータが来たことに二分くらい気づかなかった。 ★ いつものようにゴミ置場にゴミを放り投げ、学校の方へと進む。 ドスン!! 目の前に不意に落ちてくる物……物干し竿? 「ハッハッハ!ゴメンゴメン桜ちゃん!!」 マンションの五階の田辺さんが笑いながら叫ぶ。。まったく、当たってたら危なかったぞ。 と、いうか死ぬでしょ。鉄だよ。 「……これが毎日起きるなんて無いよね?」 まさかね。田辺さんは結構ドジな所も有るし。いや、物干し竿落とすのはドジで済まされるのかどうかと思うけど。 僕は……まだこんなもんじゃ神なんて信じないから。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!