959人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「……間に合うかな」
まだ半分ぐらいしか歩いていないのに30分もかかっている。
やはり、色々と不幸になってるようだ。電柱が倒れてきたり、下半身を見せ付けてくるおじさんに出会ったり。
だがこの謎を解いてみせる。神は信じない!
「君、可愛いね。学校なんてサボって俺達とお茶しない?」
三人組にナンパされる。
よし、僕は神を信じよう。え、信念曲げるの早いって?
いやいや、ナンパは家出てから八回目なんだよ。
流石に八回目にもなると、僕もうんざりする。
本当に神は居るようだ。ロクな神ではないことだけはたしかなのだが。
「ふっ!!」
僕の掛け声と共に、ロン毛がすっ飛んでいく。ただ拳を当てただけなんだけど……大袈裟過ぎるかと。
「君達も喰らいたいか?後、僕は男だよっ!」
「なにっ。大ちゃんが……やられた、だと?」
…………揃いに揃って大袈裟な奴等だ。それともブリーチファンなのかな。
まぁそれより六月の初めから遅刻は身が締まらないから早く退いてくれと声を大にして言いたい。
「よくも大ちゃんを……てめぇ!」
不良その2のモヒカンとその3のチョンマゲはカッターナイフを取り出し僕に攻撃してくる。
髪型やらナンパの仕方やらにツッコミを入れたいところだけどとりあえず、お前等……おちつけ。
「刃を向けただけだろ。そんなんじゃ僕は倒せないよっ!!」
カッターナイフの刃を掴み、奪い取って川に投げ捨てる。
一応様々な格闘技を身につけている(つもり)から刃物は大して恐くない……といっても大体自己流だけど。
「だが……だか、まだだよっ!!」
諦めないか、仕方ない。
「君達さぁ、僕が朝井 桜って知ってての行動なの?」
不良達の動きがピタッと止まる。
「なっ、まさか……あの有名なレディースのメンバー、約120人を全て素手で倒したという瞬殺の桜たんか?!」
過去に色々やらかしたので巷では僕の名は有名だ。
てか、桜たんなんてあだ名付けた奴誰だ。ちょっと便所裏来い。アッーじゃねーけどな。
最初のコメントを投稿しよう!