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「分かったらさっさと行け」
できる限りの低い声で脅す。
不良達は大ちゃんってのを抱えたあと、
「何?はやく向こうにいってよ」
「低い声を出したつもりだと思いますけど、全然可愛いですよ」
「……………」
イラッ☆
勿論そのあと蹴り飛ばしたのだが。
はぁ、なんでだよ。僕はなんで女っぽい男に生まれたんだろうね。
無性に、誰かに僕の男らしい所を見せ付けてやりたい。
「おやおや、また喧嘩してたのか?」
後ろから不意に聞こえる声。
「まったく、お前も漢だなっ!」
男口調の女……名前は鷹野 沙羅。
同い年で、さっき話しに出てた、僕が潰したっていうレディースの元総長。
僕が潰したからもうないけど、相も変わらずヤンキー?だ。
色々あったけど、一応僕の友人である。
女子にしては少し短めの(それでもそこそこあるけど)金髪に碧っぽい色の瞳。クォーターだとか
目つきは悪いが、それは仕様で普通にしてると童顔の可愛い女の子。
「だよね……僕は男だよね!」
僕は男と呼ばれた事が嬉しく、再度同意を求める。
「あぁ、お前は漢だぜっ!!」
好きな言葉が“熱血”らしい。
「……本当に思ってる?」
不安になり、聞いてみる。ノリだけで言ってるんじゃないだろうか。
「上目使いかよ……じゃなくて、思ってるよ」
「うっ……嘘だ、君は絶対に僕は女だと疑っている!!だから君に僕が男だという証拠を見せるよ!」
僕はベルトを外しズボンを下ろ―――
バチィィィィィィン!!
「ば、馬鹿野郎!!お前は男だって認めてるから!!その…………周りの人の視線痛いから…それにさ、、長い付き合いだろ?お前の性別くらいは理解している」
ビンタ。え、小芝居なのかガチなのか分からない痛さなんだけど。
「……ごめん、取り乱しちゃって」
でも、なにかいつもと少し違う。やはり属性が強化されてるのか……“何か”の属性が。
いや、僕自身もかなり乱心だけども。
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