= 第1話 =

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    ―― 前線基地付近 ――  三人の軍人が、数人の少年少女と対峙していた。少年達は軍人を睨み、軍人はそれを見下すかのように眺めている。 「……はぁ? 手前ェら誰に口聞いてんだ?」  体格の良い、それでいて人相の悪い兵士がガムを噛みながら少年達に言い放つ。  まだ中学生らしい少年は彼を睨みつけるようにこう言った。 「僕達はただ、小名浜にいる友達を助けて欲しいだけなんです!  なのに何でこんな仕打ちを……」  彼のその言葉を遮る拳! 「うぜぇよ。助けて欲しいだぁ?  俺達はテロリスト殺すための軍なんだぜ? なんで他人助けなきゃなんないんだ?」 「あ……貴方達なんて人なの!?」  少女が目に涙を溜めて訴えるが、軍人達は嘲笑している。 「見ての通り軍人だよ。公然と人殺せる仕事さ」  軍人の一人が拳銃を抜き、引鉄を弾く!  銃声と共に、銃弾が少女の横30cmの地面に着弾!  脅える少女をわざと外すかのように、兵士は口元に笑みを浮かべながら数発撃つ!  銃声と死の恐怖に、震える少女。  無力さをかみ締める少年達。  そして、それを嘲る兵士達。  体格のいい兵士がこう口を開いた。 「そうだな。助けてやってもいいぜ。その代わり、ただとは言えんがな」  なにやら物を乞うように手を差し出し、醜く笑う軍人。 (……どうして? どうして力ない者だけが泣かなきゃいけないの……?)  少女の失望が涙となって地面に落ちる。  まさにその時である!
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