= 第1話 =

12/48
前へ
/48ページ
次へ
 やがて白マフラー男は階段を降り切り、兵士達に向かって歩きながらこう口を開く。 「ヒーローの条件……その1! ヒーローは、力なき者達の力に成り得なければならないッ!」 「……って、テメェ何者だ!?」  その問いに白マフラー男はこう返す。 「だから、さすらいのヒーローだッ! 少なくとも悪党に名乗る名前は無いッ!!」 「ふざけんな!」  兵士は咄嗟に拳銃を構え、引鉄を弾く!  唸る拳銃!  だが白マフラー男はそれを察知してか、瞬時に地面に伏せた! 「危ねぇな! ヒーローとは言え、撃たれたら痛いんだ!」 「黙って死ね!」  更に拳銃を構える兵士!  だが白マフラー男が先に動いた!  力任せにギターを兵士に投げつける!  直撃を喰らい、思わず拳銃を落とす兵士!  白マフラー男はその隙を見逃さなかった!  一気に駆け寄り距離を詰め――! 「炎のアッパーカァァァァァァァアアッ!!!」  突き上げる拳が顎に炸裂!!  宙を舞い、地面に崩れ落ちる兵士。  その様を見て、体格の良い兵士が白マフラー男を睨みつけ、こう話しかける。 「テメェ、良い度胸してるな。だが、俺達が誰か知ってるのか?  『統合軍』を敵に回して生きて帰れると思ったか?」 「だから?」  白マフラー男は彼を睨み返す! 「ヒーローの条件……その2! 相手が誰だろうと、『悪』と認めた奴は許してはいけないッ!  お前達は権力を傘に、一方的に無力な少年達をいたぶった!」  そして、兵士を勢いよく指差してこう叫ぶ! 「テメェら、今週の『悪』認定ッ!!」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加