= 第1話 =

13/48
前へ
/48ページ
次へ
「なめんな!」  怒りを露に同時に襲い掛かる二人の兵士!  白マフラー男が腰を落とす! 「戦闘のプロを敵に回したことを後悔しろ!」  体格の良い兵士が右から拳を!  もう一人の兵士が左からナイフを!  だが!?  白マフラー男はナイフを紙一重で避け、その腕を掴む!  そして逆関節を決めるようにその腕を持ち上げる!  狙いは……体格の良い兵士だ!  激突!!  白マフラー男は一瞬のうちにナイフ兵を武器にして、体格の良い兵士にそれをぶつけたのだ。  失神して地面に倒れる二人の兵士。  白マフラー男はこう言い放った。 「ヒーローの条件……その3! ヒーローなら、『悪』に屈してはいけないッ!」  戦いが終わり、少年達は突如現れ、兵士達を倒した『自称ヒーロー』を見つめていた。  性格はともかくとしても、少なくとも彼は、強かった!  蒲生が現れたのはそんな時である。  兵士三人を一瞬のうちに倒した白マフラー男に詰め寄る蒲生。  白マフラー男は得意げな表情を見せ、こう言った。 「何だ何だ? 今のがあんたの部下だというなら、教育はしてやったぜ。  一般市民、しかも少年泣かせてたからな」  だが、蒲生は硬い表情で白マフラー男の側頭部に銃を突きつける。 「馬鹿な部下を戒めた礼は言おう。だが、一般市民が統合軍の兵士を殴り倒したのは拙かったな。  私と一緒に来てもらおう」  やがて白マフラー男は両手を弱弱しく挙げ、素直に蒲生の指示に従っていた。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加