渡米

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場所も確保し、仕事が出来るようになった俺は 毎日が充実していた。 全て一人でやっていたので、体力的には限界に近いはずなのに 辛いと思った事は無かった。 逆に楽しくてしかたがなかった。 クチコミで、だんだん他府県のお客様も増えていき、色々なアメ車も預かるようになっていった。 高額で購入されたアメ車。 あり得ない程 状態の悪い車も数多くあった。 たえず耳に入ってくる車に対するグチや不満・・・ 購入店への悪口・・・ お客様の怖さを肌で感じた。 そのお客様達が 今 俺のお客様・・・ 絶対にヘタは許されなかった。 改めて看板の重さを認識した。 更なるスキルアップ・・・ 自分の中で危機感にも似た気持ちが溢れ、行動に移していた。 何のコネもアテもなく渡米。 ローライダーの聖地 LA クレンショウへ・・・ 今から思えば 若いからこそ出来た、無謀で大胆な行動だったと思う。 22歳の夏の出来事だ。
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