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今の安定した生活。
そこそこ約束された将来。
親からの期待。
前章でも少し話したが、父親が建築業の会社を経営していた。
俺は長男である。
俺が建築業を始めてから、父親は言葉には出さないが、少なからずとも跡取りの期待や喜びもあったと思う。
だからこそ経験を積ませる意味で、21歳という若さでの独立に賛成し、協力してくれたのだと思う。
けど俺はハイドロシーンをもっと盛り上げたかった。
本当は、もっと楽しくて、奥が深く、格好良い物なんだと みんなに知って貰いたかった。
いっぱい考えた。
凄く 凄く 考えた。
そして決断した。
俺はハイドロ業者として頑張って行くと。
父親や母親と大喧嘩した。
家に帰ることも出来なくなった。
完全なゼロからの出発。
不思議と不安や後悔はなく、期待と野望に胸ふくらんでいた。
もうすぐ22歳になる夏の出来事だ。
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