‡奇跡の狭間‡

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《ここまでのあらすじ》  橘家の豪華客船沈没事件から一年ほど時が過ぎて、右目と左足を失いながらも奇跡の生還を果たした与那嶺琥珀くん。  まぁこの奇跡の生還劇の裏には私の存在は欠かせないね。  ところでこの事件、エンジンの不備だったらしいじゃない? 注意一秒怪我一生って上手いこと言ったよね~。  さてさて、そこからは与那嶺家の副総当主の座についた葵さんと再び正式な恋仲に、はたまた婚約も考えた付き合いが始まっていくんだね。  時々、琥珀くんとか葵さんも神社に来てくれるんだ。  葵さんが羨ましいけど、さすがにお似合いだよね。  そんなある日のこと、琥珀くんの義足を作るために葵さんのお父さんの薦める、腕利きの義肢装具士の元へ向かうって。  足がなくても気にならないのは幽霊の特権なのかな?  そうして無事に義足を作る経過を経た二人が屋敷に戻ると、庭に広がる不穏な気配。  その気配を琥珀が探り当てると、そこには人が倒れていた。  彼女を手早く救出した二人に聞かされたのは、彼女が自称するパピヨンという名だけ。  何者かに追われているらしいのは信じられない琥珀くん達、でもその後すぐに実際に屋敷に追っ手が訪れたんだね。  その時は琥珀くんの裏の人格が現れて倒し、まずは一安心。  二重人格ってこういうのとは少し違う気がするけどね、何かすごく強くなるんだって。  その後、葵さんはパピヨンを屋敷に置くことにした。  でも名前が不自然だということで、与那嶺家のメイド“与那嶺小苗”として一時的に屋敷で雇うという形を取ったけど。
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