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留火がこの山里を生きる土地に
選ぶきっかけになったのは、
成人を迎えた『ウサギ族』
のしきたりによるものだった。
成人するとウサギ族の男子は、
自分の生まれ育った山を出て、別の生きる土地を探す旅に出なければならない。
若いウサギたちは、しきたりという、古い習わしを全うするつもりは毛頭なかった。
それなのに。
しきたりを重んじる一族の長たちは、彼らの知らぬ間に旅立ちの儀式を整え、留火を含む数名の若いウサギたちを、村から放り出した。
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