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(優しさなんて微塵も残っちゃいないのね、留火さん…)
ベッドの傍らで仁王立ちしているウサギ族をチラッと盗み見る。
怖いほどに端正な顔、切れ長の瞳。しなるような柳眉。
フワフワした長い垂れ耳は、夢に出てきた留火となんら変わらなかった。
そして今日も…眉間に深い皺が寄せられている。
綺麗な顔立ちが、怒気を醸し出すと、いっそう綺麗で…恐ろしい。
優留は思わず耳を倒すと、目を閉じて寝たふりを決め込んだ。
![image=57454675.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/57454675.jpg?width=800&format=jpg)
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