*6*

6/8
前へ
/139ページ
次へ
    「あ~、疲れた…」     心底疲れたような笑みを溢しながら、頭を振り振りベッドから離れる。   そのままドアを開けて、廊下に置かれたお盆を部屋の中に運ぶと、部屋の隅にある机の上に置いた。     まずは、優留に水を与えなければならない。 この数時間、理性を失くした彼は叫び続け、唸り続けていた。   先程からその声が枯れ始めている。   シドは、水の入ったコップと水差しをベッドサイドまで運んで、ベッドに腰をかけた。     「優留くん…お水だよ」 「ぐぅ…うぅぅ…」     コップを見せても、唸り声と敵意の表情しか見せない優留を見て、シドが薄く微笑む。    
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

844人が本棚に入れています
本棚に追加