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*7*
パタンと小さなドアの音がして、テーブルに肘をついていた留火は顔を上げた。
壁に掛けられた時計を見ると、
時計はもう午後1時を指している。
留火は一睡もせず。
ただひたすらに、二人が降りてくるのを待っていたのだが。
トントンと軽い音を立てて降りてきたのは、シドだった。
「おや、起きてたんですか?留火さん。おはようございます」
「…あぁ。おはよう…」
「全く…無茶しますねぇ、貴方も。昨日倒れたばかりなのに…。
ようやく優留くんが眠りにつきました。
もう大丈夫ですよ、終わりましたから。彼も疲れたのでしょう…」
そう言いながら、シドが留火の向かい側の席に座る。
ふとシャツが袖口から肘まで、大きく裂けているのが目に入った。
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