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    腕の怪我を消毒し、包帯を巻くと、立ち上がって新しいシャツをシドに渡した。   留火の想いが通じたのか、素直に怪我の手当てをさせ、シャツを受け取ったシドは、無言のまま着替え始めた。     「腹、減っただろう。もうやがて昼の1時になる。優留の食事のついでに何か作ってやろうな」 「…あ、それなら。私も手伝いましょう」     先程まで黙ってうつ向いていたシドが、瞳を輝かせて顔を上げた。     「結構だ」 「そんな!…遠慮なんかなさらずに~。私と留火さんの仲じゃないですか」 「言い方を変えよう、手伝われたら、かえって邪魔だ」     留火の後を追いかけて、仔犬よろしく近付くシドに、留火は包丁をチラつかせ笑顔で答えた。    
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