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目は閉じていても、気配は感じとれる。
ギシッと音をさせて、誰かがベッドに腰をかけるのがわかった。
(…らび…さん…?)
ゆっくりと目を開ける。
すぐ目の前に、心配そうな留火の顔があった。
「あ…。留火さ…」
「しっ…、まだ休むといい。身体が悲鳴を上げているはずだ」
「……」
やわらかく制する留火を見て、
優留は少し持ち上げた頭をまたタオルケットに埋めて目を閉じた。
確かに身体がギシギシと悲鳴を上げている。
ちょっとでも動かせば、自分の身体から、オイルを注す前のブリキの玩具の様な音がする気がした。
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