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    その音で何となく、自分が成人を迎えたことを理解した。     ドアを開けた後からの、紛れもない空白がそこにある。   その間、自分がどうなっていたのか…。 瞼の裏に焼き付いて離れない記憶が、紛れもない事実を理解させてくれた。     「ごめんね、留火さん」 「ん?なんだ」 「俺…あの時、成人になったんでしょう?記憶ないし」     留火の顔をまともに見れずに、優留はひたすら天井を見つめ続けていた。    
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