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    少し震えながらシーツを剥いだ優留は、自分の手足を珍しいものでも見るかのように見ている。     「すごい、…俺。大人になっちゃった、もう身長も留火さんと変わらないんじゃない?」 「…優留…?」 「……だからさ…。…だから、 もういいよ。………俺の親でいなくて。俺ももう子供じゃないんだし」     留火は、そんな優留の昔と変わらない、物悲しそうな瞳に映った自嘲の色を見逃さなかった。     今すぐにでも泣き出したいのを必死で堪えて、手足を目いっぱい自分のほうへ引き寄せると、優留は膝の間に顔を埋めた。    
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