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(言えた…。うん、これでいい。俺は大人になったから、一人でも生きて行ける。
…………留火さんの傍に、
一生誰かがいるんだとしたら。
…それは………俺じゃない…)
帰って来たら、抱き合っていた留火とシドを見てしまった。
それに、夜少し正気に戻れた時、シドは自分に『ごめんね』と言った。
それは『留火さんを取ってしまって』と言う意味の『ごめんね』に聞こえた。
大人になった筈なのに。
切れ切れの記憶を思い出して、
泣いている自分が嫌で仕方なかった。
溢れ出しそうになる涙を必死で堪え、優留は留火が部屋を出て行くのを待っていた。
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