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(なんで…こんな時にまで甘やかそうとするんだよ…)
滲む留火の顔を見ないよう、
ゴシゴシと短くなってしまった袖口で目を擦る。
と…。
いきなり腕を掴まれた。
「私の声は聞こえたか?
…何故そんな顔をする?」
「…聞こえてるよっ。
この顔は…この顔は生まれつきだもんっ、ほっといてっっ…」
「私の知ってる優留は、少なくともそんな、………今にも泣きそうな顔などしていないよ…」
(あんたに何がわかるんだよっ)
そう言うより先に、優留は留火に抱き寄せられていた。
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