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    「…え…ちょっ!留火さ…っ」     驚いた優留の声が、微かに震えている。 こんな優留の表情を見るのなら… 留火は苦しさに、自分が消そうとした想いを吐き出した。     「優留の哀しい顔を、見なければならないなら…。 シドの言うことなど気にせずに、お前に喰われていればよかったのかもしれない…」 「なに…それ。どういう…っ」     しっと耳元で囁かれて、更に身動きが取れなくなった優留の身体に回した腕を、留火がゆっくりと離す。     ようやく離れた身体に、優留が留火を見る。 そこには、初めて見る悲し気に笑う留火がいた。    image=64032539.jpg
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