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その表情に、優留の思考がかき乱される。
自分は、足手まといな存在になってしまった…。
そう思っていたのに。
なのに…。
何故、抱き寄せられたのか、
何故、自分の言葉で留火が傷付いた顔をするのか…。
目の前の、大好きな白ウサギの気持ちなど、全く理解する事が出来なかった。
「なんで…。なんで留火さんが泣きそうな顔すんの…。
放っておけばいいじゃん。
なんで…喰われた方がよかったなんていうんだよ。
俺がいなければ、好きな人と暮らせる。
いいんだよ、もう…俺から解放されて…」
「………………解放されたら、
私は愛する人を失うことになる…」
顔を見ることが出来ず、うつ向きながら言葉を溢れさせる優留に、留火は思わずポツリと呟いていた。
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