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真弓が苛立ちを感じて薫を睨んでいると、薫は右手で顎を触ってほくそ笑んでいる。
「ん? ……気を遣うつもりはなかったが、少し疑問があってね。いいか? 気を悪くするなよ? これはあくまでも推測だ」
「わかったわよ。もったいぶらないで教えなさいよ」
真弓の頬が膨らむのを見て、薫は少し笑ってから、真顔に戻っていた。
「ああ。梨絵が誘拐されたのは、昨日の十五時頃だと思われる。これは、さっきの男の話を素直に聞くとそうなる」
「ええ、そうね。その後、誘拐された。それで?」
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