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「少しは考えろよ。いいか? 十五時頃だ。日も沈んでいない時間に、誘拐されたことになる。しかも、私たちが別れた場所は駅前。聞き込みをしれば、目撃者の一人はいるだろう。しかし、あの男は真弓が最後の目撃者。そう言っている」 「そうね。あの時間は、人も多かったわ。でも、慎重に捜査するなら、駅前で聞き込みなんてしないでしょ? それに、あの時は薫さんも居たわ」 真弓は努めて冷静になり、昨日のできごとを思い出していた。真弓たちと別れた後、梨絵は誘拐されたのだ。もしかしたら、犯人を見ている可能性もある、そう真弓は思っていた。
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