第七章 ―離婚―

6/9

4332人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
  その日の夜。 私はどうしても翔太自身から真実を聞きたくて電話をかけた。 何度もコールの途中で切られ、果ては電源を切られ…… メールで『最後だから』と入れて何時間か待って、ようやく電話が繋がった。 「サクラさんと付き合ってるの?」 『……そーだよ』 「不倫してないって言ってたのは嘘だったの?」 『マジうざい。っつか、離婚届け書いた時点でもう終わってたに決まってんだろ!?』 「…………」 『何もないならもう切るから』 そのまま、この時は電話が繋がる事はなかった。 無情にも切られた電話を手に、ただ静かに声を押し殺して泣いていたような気がする。 横にはスヤスヤと眠る子供たちが居たから……  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4332人が本棚に入れています
本棚に追加