第七章 ―離婚―

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  それでも義父さんは、何よりも私と子供たちの事を案じてくれていた。 養育費についても、翔太からの支払いが止まれば全額は無理でもいくらかは払うからとまで言ってくれた。 自分にはこのくらいしか出来ないから……と。 義兄についても、もし私が養育費の未払いの件で裁判所に訴えれば、自分の給料から引かれる事もあり得るし、それくらいは覚悟していると義姉に話していたらしい。 私自身は離婚協議書を取り交わしたものの、実際に養育費が支払われなくなった時に訴えるつもりはない。 子供たちの権利だと言われればその通りだけど、義父や義姉、兄にこれ以上迷惑をかけたくもない。 それに、養育費がこの世の中でどれだけ支払われていないかは充分に分かっているつもりだったから。 大学も出ていない私が、どこまで稼いでいけるかって不安はもの凄くある。 声を使う事に関して多少長けていたとしても、稼ぐ上で+αになるかは難しいところで…… 金銭面においても、母子家庭だからと子供たちに苦労させる事が出てくる時が来ると思う。 だけど、出来る限りの事はしておきたいと思っている。 今のところ、少ないながらも養育費は貰っている。 子供手当て含め、それらはそのまま子供たちの通帳へと貯めている。  
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