第八章 ―それから―

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  引っ越し予定日の前々日、母が実家から手伝いに来てくれた。 職場の友達が大量の本を売るのを手伝ってくれたり、10年来の友達が会いにきてくれたりと引っ越し前1週間くらいはドタバタと賑やかだった。 そして、義父たちと義母のお墓参りに行って、イチゴ狩りに連れて行って貰った。 子供たちはとっても嬉しそうに、信じられないほどの量のイチゴを食べまくっていた。 母が来てくれた次の日、義姉家族と鉄道博物館に出かけた。 長男が乗り物が大好きで、最後にどうしても連れてってあげたくて母に一緒に行って欲しいとお願いしていたら、義姉たちも同じことを考えてくれていたのだ。 それで皆で一緒に出かけた。 長男はたくさんの電車の数々にはしゃぎっぱなし!6歳の姪っ子と手を繋いでとても楽しそうだった。 そして帰りの電車の中…… 小さな姪っ子が、そっと耳元で言ってくれた。 「ありがとう」 と。 いきなりの事に首をかしげた私。 「夢ちゃんたち、遠くに行っちゃうって聞いたから」 そう言われて納得が出来た。 義姉が、今日私達が実家に帰ってしまう事を子供たちに言うつもりだって聞いていたから……  
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