第八章 ―それから―

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  緩みそうになる涙腺を何とか引き締め、こちらこそありがとう、と伝えた。 程なくして電車は義姉たちの駅につき、姪っ子たちとのお別れの時。 我が子たちは、無邪気に手を振っていた。 「バイバイ。またね!!」 と。 今でもその頃の写真を見ては、また遊ぶー!と言っている。 距離が遠いからそう簡単には会えないけれど、何年かごとに会えたらいいなと思い、今はコツコツと五百円玉貯金を続けています。 そして、その次の日の夜、一足先に荷物の引っ越しが始まった。 必要な荷物、家具が次々と運び出された部屋。 残ったのは、実家に持って帰る必要のなかった家具と元旦那の少しばかりの荷物だけだった。 短いような、だけれど凄く長かったような結婚生活の終わりの日。 潜り込んだ布団の中でいろいろな事を考えながら、目を閉じた――  
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