あなたが私にくれたもの。

第八章 ―それから―

その求人情報を見つけた時、応募するかどうかとても迷った。

資格は取得したものの、今まで一切未経験の職種。
しかも常雇のパートではなく、賞与もある正社員。

「落ちてなんぼでしょ？面接の練習とでも思って行ってきんさい」

そう言われて受けた面接。

緊張はしたけれど、自分の思っている事はちゃんと伝える事が出来たと思う。

結果は一週間以内に郵送で通知と言われ、毎日ドキドキで帰っていた。

そして、六日後。仕事が終わって携帯を見ると、何故か着信が残っていた。

郵送と言われたのに電話……

当然ながら頭を掠めたのはもしかして採用？なんて淡い期待。

そして半月後、私は新しい職場へと向かう事になった。

役場の人達は、淋しくなるなぁなんて言いながら、良かったねと快く送り出してくれました。

ちょっと特殊な課で、ものすごく忙しくピリピリムード漂う時期もありましたが、楽しく過ごさせて頂いた半年でした。