第二章 ―浮気―

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  翔太が浮気を始めた約一週間後。その日は月末であった。 毎月月末には棚卸しがあり、いつもより更に遅くなるのである。 この日も帰って来たのは終電だった。頭の中で、何かが警鐘を鳴らしていた―― 少し時間を遡り、その日の昼間に翔太からこんな電話があった。 『そろそろ携帯新しいのに変えたいんだけど、いい?』 「確か、半年前に変えたばっかりでしょ?」 『スライド式は使いにくいし、お小遣いからもお金だすから!!』 と、粘り続ける翔太に根負けして許した。翔太は明日品物が手に入るから、そしたら手続きすると言っていた。 そして、私は初めて翔太が寝入ったのを見計らってスーツを探る事にした……  
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