4332人が本棚に入れています
本棚に追加
翔太は基本的に寝入ってしまえば、よほどの事がない限り目が覚めたりはしない。
そんな彼の様子を横目で確かめつつ、そっとクローゼットの前に立った。
もの凄く、心臓がバクバクしていたのを覚えている。
ゆっくりゆっくりとクローゼットを開け、旦那のスーツのポケットを探っていくと、何やら固く冷たい感触。
それは、携帯――……
寝ている翔太の枕元にも、携帯はちゃんとある。
この時、私の手の中にあった携帯は明日変えると言ってたものだった。
もう……その携帯を見る事に躊躇いはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!