第二章 ―浮気―

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  信じたい、信じたい…… なのに、ますます信じられなくなる行動が増えていった…… ある時、先輩と上司の三人で仕事後に会議をすると言われた事があった。 8時半頃に、今からお店を出てD駅の店舗に向かうからとの電話。 その後、10時、11時になってもいっこうに連絡がない。 会議中に電話しても迷惑になるかとも思ったが、思い切って電話をかけてみた。 『こちらは○○です。お客様の携帯は、電波の届かないところにあるか、電源が入って……』 会議中なら電源を切っている可能性もなくはない。でも胸騒ぎは時間と共に増すばかりで、苦しさが募っていった。 ようやく連絡が取れたのは、終電間際の時間。 『D駅で突然気持ち悪くなって倒れてしまったから、駅員室で休ませて貰ってた』 もちろんこれも、電話に出ないで済むように翔太があらかじめ考えて、でっちあげた嘘だった。  
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