第二章 ―浮気―

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  一度カナちゃんの電話帳は消したと言ったが、それはすぐに復活していた。 この翔太の浮気には、実はもう一人関わっていた人物が居る。だから翔太がカナちゃんの連絡先を再び知るのは容易な事だった。 電話帳を消した時、もちろん翔太にはすぐにバレた。 『何考えてんの?お前頭おかしいんじゃない?』 その通りだと思う。 もはや冷静に考える余裕など、どこにもなかった…… 翔太には、本当にもう連絡は取らないで欲しい。客にそこまでしなきゃならないのなら、仕事変えて欲しいとまで言った。 翔太は確かに答えた。 『もう連絡は取らない。約束するよ』 翔太にとって約束なんて、なーんにも意味がなかった。 どこかでわかってたのに、言葉にして欲しかった。 その口約束に縋る思いだった……  
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