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一度カナちゃんの電話帳は消したと言ったが、それはすぐに復活していた。
この翔太の浮気には、実はもう一人関わっていた人物が居る。だから翔太がカナちゃんの連絡先を再び知るのは容易な事だった。
電話帳を消した時、もちろん翔太にはすぐにバレた。
『何考えてんの?お前頭おかしいんじゃない?』
その通りだと思う。
もはや冷静に考える余裕など、どこにもなかった……
翔太には、本当にもう連絡は取らないで欲しい。客にそこまでしなきゃならないのなら、仕事変えて欲しいとまで言った。
翔太は確かに答えた。
『もう連絡は取らない。約束するよ』
翔太にとって約束なんて、なーんにも意味がなかった。
どこかでわかってたのに、言葉にして欲しかった。
その口約束に縋る思いだった……
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