第三章 ―借金―

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  さて、カナちゃんから送られて来たメールも確実に黒と分かる内容ではなかった。 内容をかい摘まむと、こんな感じだったと記憶している。 『翔ちゃんは、今までの女の子達とどういう付き合い方をしてきたか分からなくて、凄く不安です。このメールを見たらすぐに連絡を下さい』 私はそっと携帯を持ち出して、彼女に電話をかけてみた。その時、カナちゃんが電話に出る事はなかったけれど、後からやけ酒を飲んで酔い潰れてしまっていたと聞いた。 私は一つの決意を込めて、あるメールを送った。 『明日の昼間、090-****-****まで電話して』 そして、新しいアドレスをまた拒否した。  
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