第三章 ―借金―

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  『良かったら、お会いできませんか……?』 暫くの沈黙を破った彼女が言った事。私は全く同じ事を考えてた。 だから快くその申し出を受けた。 カナちゃんはまだ仕事があるから、待ち合わせは夜7時。……B駅である。 そのまま翔太の居るC駅へと向かう事にした。 カナちゃんとの電話を終えて、私は翔太に電話した。 「本当に、本当に浮気はしてない……?」 『してる訳ないだろ?今日は早く帰れるから』 「……うん」 知ってるんだよ。何もかも。 あなたの口からは嘘ばかり……。 自分に都合のいい、嘘ばっかり。 これから先の人生も、そういう生き方をしていくんだろうね……。  
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