第三章 ―借金―

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  カナちゃんから聞いた話には、唖然とするばかりだった。 ・今まで一度も手料理は食べた事がない。 → 毎日手料理作って、お弁当も持たせてませんでしたっけ? ・親父にそろそろ結婚をって急かされてる。孫が早く見たいと言われている。 →私は誰ですか?息子はあなたの子供ではないのですか? ・今は会社の同僚と住んでるから、家には連れていけない。 →私は同僚ですか? その他にも、小さな嘘で溢れかえっていた……。 私にもカナちゃんにも嘘をつきまくり、自分の都合の良いように話を持っていっていたのだ。 悲しみ、苦しみ、怒り、憎しみ……いろいろな感情を抱えたまま、翔太の職場近くの駅に着いた。  
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