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当時の翔太の職場は、三畳あるかないか程の小さくて狭い店舗だった。
もちろん仕事中はずっと一人だ。
閉店の頃合いを見計らって、お店に入った。奥に居た翔太は、私達には気づかず作業をしていた。
ドカッ
いきなりの音に、さぞ翔太はびっくりしただろう。私が店の壁を蹴っ飛ばしたのだ。
私を確認した翔太が、ゆっくりと姿を現した。
「……何やってんの?」
「入ってきて」
私は、外で待機していたカナちゃんを呼んだ。
翔太は動揺からか、その視線が宙を舞って揺らいだ。
「話したい事があるんだけど」
「え、いや……」
「もう言い逃れできないからね」
「…………閉め作業が終わるまで待って」
翔太はどんな気持ちで残りの仕事を片付けていたのだろう。
人を騙す事、裏切る事……
それがどんな結果を招く事となるか、身を持って体験してたはずだったんだけどな……
「二度と浮気はしない。一生をかけて償う」
そう言ったあなたを信じたかったのにな……
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