第三章 ―借金―

15/15
前へ
/117ページ
次へ
  次の日から、翔太を仕事に送り出すのが怖くなった。 また同じ事をされたら…… その不安は、結婚生活を終えるまで、ずっとずっと消える事はなかった。 翔太は出来る限りの事をしてくれた。閉店してすぐに必ず店から電話してくれて、時間がかかりそうなら30分毎に連絡をくれた。 飲みに行くのも出来る限り断ってくれて、休みはずっと家に居た。 それで、少しずつ鬱憤が溜まっていったのかもしれない…… だけど、それからの二年半は喧嘩は繰り返しながらも、家族として幸せな日々が確かに存在していた……はずだった。  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4332人が本棚に入れています
本棚に追加