第一章 ―結婚―

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  元旦那、翔太(ショウタ)との出会いは派遣で働き始めたコールセンターだった。 女性が大半を占める職場で、督促を主な仕事としていた翔太。 何故か受信中心のオペレーショングループの中に配置されていて、入社時期が近かった事から仲良くなるのに時間はかからなかった。 サーフィンが大好きで、暇さえあれば車にボードを積んで海に出かけていたと話してくれてた翔太。 ちょっと老けて見えてたけど、割りと男らしい身体に顔つき。 私が翔太に抱いた第一印象は、遊んでそうだなー……だった。 「時間があれば、ちょっとだけ飲みに行かない?忘年会の下見を兼ねて」 そう言われて、初めて二人で飲みに行った。 もちろん翔太の奢りで、お金を出そうとしたら断られた。 今までの貧困生活を送っていた彼氏たちとは違っていて、ちょっと新鮮だったのを覚えている。 それから、頻繁に二人で飲みに行くようになった。 後から思えば、この時かなりの借金を抱えていた翔太。 どれだけ見栄を張っていたのだろう……と思う。  
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