第四章 ―二人目―

5/13
前へ
/117ページ
次へ
  今思えば、この辺りが一番幸せだった時かもしれない……。 長女が生まれた時、長男は1歳7ヶ月。寝不足に悩まされながらも幸せな日々を過ごしていた。 しかし、私には気になる事があった。 それは翔太とは全く関係ないのだが、長男颯太(ハヤタ)の事だった。 二歳になっても、全く喋れなかったのである。単語が僅か数種類。一歳半検診での指差しも、全く出来なかった…… 週に一度は二人を連れて保健センターに通い、少しでも成長してくれれば……と願っていた。 しかし、大きな進展も見られず迎えた三歳の誕生日。病院を紹介されて、定期的に診て貰う事となった。 『言語発達遅滞』 息子につけられた病名?である。 発達は個人差が大きく、息子の場合だとこれからどう発達していくのかは今はまだ分からない。 定期的な診察とリハビリをしていく事となった。 翔太は病院に着いてきたりはしてくれたけど、いつも待ち時間がめんどくさいとそのうち行かなくなったね。 この頃から、あなたの気持ちはだんだんと家族から離れていってたのかな……  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4332人が本棚に入れています
本棚に追加