第四章 ―二人目―

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  結局、そこまでされても翔太が好きだったんだよね。 私は恋愛経験は豊富ではない。 翔太に出会うまでに付き合った人数は二人で、二年、四年と長かった。 別れる時も、浮気や喧嘩ではなくどちらかというとお互い納得の上で円満にお別れした。 翔太の事は大好きだった。 愛していた。 だけど、どこか愛情とは違う『依存』があったのかもしれない…… それは今でも同じ。『依存』と『愛情』の境界線は、あってないようなものなのかな、と思う。 今となっては、もう戻れないと分かっている。戻ったところで幸せにはなれないと理解もしている。 それでも昔に戻りたい…… 家族で幸せになりたい…… そう思う自分も確かに存在する。  
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