第四章 ―二人目―

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  消費者金融から過払い金が戻ってきて、そのお金と手元にあったお金を生活に支障のない範囲で残して全て借金返済にあてた。 やっとの事で、借金から解放されたのだ。平成20年、11月の事である。 もう二度と借金なんて(車や家のローンは別として) 抱えたくないと強く思っていた。 220万という結婚前からの借金の理由。 私は未だに知りません。 ギャンブルではない。翔太はパチンコやパチスロは一切しない。 少しだけ『元カノ関係』とだけ聞いた事はあったけど、借金完済して改めて聞いてみた事があった。 「お前には関係ない。借金返済に協力してやったんだから、理由を聞く権利があるとでも言いてぇのか!?誰が返済に協力してくれなんて頼んだよ!?話さなきゃならない意味が分からない。話すつもりはない」 確かに借金に私が関わろうとするのを頑なに拒む翔太に、時間をかけて一緒に返済して頑張ろうと言ったのは私だ。 理由も言わなくていいから、と言っていた。 でもやっと完済したのだから、理由くらい教えて欲しいと思ってしまった。 人は誰しも欲がある。 一歩前に進めたら、もっとと思ってしまう時があると思う。 あの時、何も聞かなければ良かったのかな。  
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