第五章 ―罪と罰―

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  そんな中、ある事件が起きた。 その日、仕事が休みだった私はいつも通り家事育児をしながら家で過ごしていた。 18時過ぎに子供達にご飯を食べさせた後、翔太から電話があった事に気づいた。 「もしもし?どしたん?電話気づかなくてごめんね」 『……うん。あのさ、今うちっていくら預金ある?』 「は?預金?何で?」 あまりに突然の、意味不明な電話だった。 翔太は今までも家計には関心がなく、こんな事を聞かれた事もなかった。 『ごめん。ちょっとまとまった金が居る』 「理由は……?」 『……少しだけ会社のお金使ったのがバレた』 「……いくら払わなきゃならないの?」 『……とりあえず百万』 私には絶句するしか出来なかった……。 前回の借金を完済してから9ヶ月。そんなに預金がある訳がない。  
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